学部留学生向け、休学のすゝめ

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大学2年が終わった時点で正式に休学を決めたあたりから「実は僕/私も休学しようか迷ってるんだよね」という声をたくさん聴くようになりました。そこで、僕のわかる範囲で学部を海外大で過ごしている日本人が休学を考える動機、休学のメリット、注意点についてまとめてみました。


なぜ休学を考えるのか

友人からの相談を受ける中では、以下の二つが散見されました。

学費が高いから

一番多い理由として、海外大の学費の高さが挙げられます。多くの場合、留学生は大学から奨学金をもらうことができず、年数百万の学費を払うことになります。そのため、自分が受けている教育は本当にその額に見合うものなのか、両親にこれほどの負担をかけてまで大学に残り続ける意味があるのかを疑うのです。

大学の授業がイマイチだから

学費に比して授業の質が悪いという点では一つ目の理由と関連しますが、大学の授業が留学前の想像と違っていた、というのはよくあるケースです。具体的には、授業が理論的すぎて社会で使えるスキルを学んでいる気がしない、リベラルアーツによって広く浅い学習で終わってしまう、といった声をよく耳にします。とりわけ政治学や社会学など、人文系に近い学問を専攻している学生が多く感じている不満のようです。

僕の場合:

僕の場合は大学から奨学金が出ていたため、一つ目よりも二つ目の理由が休学の決め手になりました。具体的には、コンピューターサイエンスの授業がとても理論的で、手を動かして物を作る経験の不足を感じたことが大きかったです。

休学のメリット

休学は基本的にローリスクハイリターンです。あまり失うものはない割に、自分の視野を広げたり、新しいことに挑戦するきっかけを与えてくれるものです。

「退学」ではないので、いつでも復学できる

多くの大学が一定年数内であれば休学後に復学することを認めています。仮に休学してしばらく大学を離れたとしても、自分がこれまでいた環境に、いつでも戻ってこられるという安心感があります。入学時にできた友達と学年が離れてしまう、などの多少のデメリットを除けば、これは大きなメリットでしょう。

宿題から解放され、仕事をする必要もない、究極の自由時間

海外大にありがちな山のような宿題、徹夜の連続を逃れることで、自分の意思で日々やることを考えて選択できるようになります。また、財政状況にもよりけりですが、まだ大学生という位置付けなので、仕事をしないで自分の好きなことをする社会的猶予が与えられます。大学の学費を考えれば、きっと休学時の諸費用は微々たるものでしょう。

僕の場合:

コンピューターサイエンスの授業で出される課題に追われる日々に比して、自分で好きなものを好きなだけ時間をかけて作れる日々はとても充実しています。それだけでなく、結果的に技術力の伸びも大学にいた時より速いです。

休学時の注意点

最後に、これまで休学してきた留学生仲間を観察していて気付いた休学時の注意点について記します。

具体的な目標を定めよう

学費が高い、授業がつまらん、といった理由で休学するのはごもっともなことだと思いますが、実際に休学するのであれば「じゃあ、休学して何するの?」といった質問に答えられるようにする必要があります。それがわからないから休学するんじゃ、と思われる方もいると思いますが、わからないなりにも、この質問に答えることは休学期間が進行してから自分の成長度合いを測る上でとても重要です。自分の興味ある分野の有名人10人にコンタクトをとってみる、とりあえず東南アジアに一ヶ月いてみる、とか何らかの具体的な目標を持つことがカギだと思います。これはたとえ後で変わっても構いません。目標の変化を自分の関心の変化、成長の証と捉えればいいのです。アンチテーゼだけではどこにも行けませんので、ぜひ自分なりのテーゼを考えてみてください。

僕の場合:

まずは1年間休学し、最初の数ヶ月で技術力に磨きをかけ、残りの期間で自分で一つ、人々に使ってもらえるプロダクトを作る、ことを目標としました。その期間内で成功したら事業を続け、失敗したら大学に戻ろう、というマイルストーンを設定しました。

これまでと違った角度から物事を見てみよう

政治学を専攻しているから、休学して政治家の事務所でインターンをしてみよう。教育学を専攻しているから教育系のNPOでボランティアをしてみよう。こういった活動は在学時の三ヶ月の夏休みを活用して行えばいいのではないかと思います。休学をするのであれば、これまでの興味とは全く違ったことに挑戦してみるか、自分の興味のあることに違った方面から取り組んでみることを心がけると良いのではないでしょうか。例えば政治学であれば地方の衰退した市区町村に出向いてコミュニティーに入り込んでみるとか、教育学であればテクノロジーを使って教育を変えようとしているベンチャー企業で働いてみる、といったことができるのではないでしょうか。

僕の場合:

東海岸の大学に通っていたため、サンフランシスコに来て環境を変えることにしました。同じエンジニアリングという分野ではあれ、学問重視の東と実社会の応用重視の西で大きな価値観の差を感じています。サンフランシスコに長い間身を置くことで、実際に自分のプロダクトを売り込もうとする起業家の卵として技術を別の視点から理解することができるようになってきました。


いかがでしたでしょうか。休学は適切に行いさえすれば自分の今後の人生に大きく影響するような貴重な経験を得ることができます。学部から海外に飛び出したチャレンジ精神を持っている皆さんこそ、思い切って休学をすることでさらに新しい世界を発見することができるのではないかと思っています。ハッピー休学ライフ。

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